「寝ぼけた」といえばそれまでなのかもしれないが、自分でも気になって仕方がない。
あの晩のことを思い出すといつ物陰から何かが飛び出すのでは(幽霊でも、宇宙人でも、変態でも、殺人鬼でもなんでもいい)という恐怖にすっかりとりつかれてしまう。
旅行から帰ったら数年前にお世話になったことのある心療内科に相談に行くことを決心していた。
午前中は雑用や先に書いたWIZARDさんへの返事を書いたり、先生に相談するにもまとめておかないととりとめのない話になってしまいそうなのでメモを書いていた。
午後1番で受付を済ますと既に待合室は満席でどう考えても数時間はかかりそう。
受付の方に聞くと夕方までに戻ってきてくださいというのでいったん会社に戻る。
夕方出直していよいよ診察である。
こちらとしてみれば久し振りの先生ではあるが、先生にしてみれば何万人もいる患者のひとり。適当な挨拶ののち「どうしました?」
実はカクカクシカジカ。
「ほう、それでは薬を出しておきますから朝晩と寝る前に飲んでみてください」
とそっけない。よくある症状なんだろうか。
「先生、ストレスとかそういうんですか?」
「いや、夜驚症とか夢遊病とかそういうんだと思いますよ、脳波を取ってみましょう何かわかるかもしれません」
「いまだになんだか怖くてしかたないんですが」
「それは、よっぽど怖い思いをしたんでしょう」
えっ!簡単に言わないでほしい。いったいどんな怖い思いをしたというのだろう。
知りたくないが、知ってみたい。
なんとなくあっけにとられているうちに、「しばらく様子を見てください」で診察は終わってしまった。
次回の脳波検査の予約をして帰った。
本日処方された薬は
ドグマチール細粒10 朝晩
セパゾン1% 朝晩
プロチアデン錠25/2 晩
エリミン錠5 寝る前
さっそく会社に帰って夜驚症を調べてみる。
夜中に突然大声を出し、その記憶が無いという点は一致している。
子供に多く成人前に治るとある。
おれは子供か。
夢遊病も似たようなものである。大声を出すのではなく歩き回ったりする点が違うだけ。
これも子どもの病気で大人になれば治るとある。
どちらも深い睡眠レム睡眠中のことというのが共通点か。
う~ん、脳ミソが子供にもどったか。